いよいよ大阪・関西万博開催! 小橋賢児が語る万博の魅力とは?

音楽とファッションはいつの時代も互いに刺激し合い、新たなカルチャーやトレンドを生み出してきた。「音楽」がテーマの2025年春夏号では、カリスマと呼ばれる存在を作るクリエイターやアイコンたちを仕掛ける縁の下の力持ちなど、今をときめくアーティストやクリエイターたちを取材。ここでは自身が手がけるThe Human Miracle株式会社のCEOでクリエイティブディレクターの小橋賢児が、開催中の2025年大阪・関西万博の催事企画プロデューサーとして、万博の見どころなど、10マガジンにいち早く語ってくれた。

──大阪・関西万博の見どころを教えてください。

いろいろな国や企業、団体に、「その一歩が、未来を動かす。」というテーマに沿って参加してもらっていますが、開会式、閉会式をはじめいくつかの主催者催事を取り仕切っています。なかでもぜひ見て欲しいのが、184日間の期間中毎日開催される、水上ショーと「One World, One Planet.」という光と音のスペクタクルショー。あとはオープニングで「Physical Twin Symphony」という、新しいライブエンターテインメントショーを作ります。

ちょっと聞き慣れない言葉だと思うのですが、まずデジタルツインとは、現実にあるものをデジタル上に表現するもの。フィジカルツインとは逆に、現実にはないもう一つの体、分かりやすく言うと例えば義手の人が新しいテクノロジーを持つことで、それによって諦めてた夢だったりできなかったことができるようになる。障害のある人に限らず、例えば声色を変えるとか、あるいは空間を超えることも可能なんです。

オーケストラって本来一つ一つ異なる楽器が調和して、ハーモニーを作る。でも今の時代、多様な身体性、多様な空間、多様な状態にいる人たちがいて、多様なテクノロジーがある。複雑にからみ合うものを組み合わせて、未来のオーケストラのようなものを作るというプロジェクトです。

──音楽と視覚的な要素を融合させたイベントを多く手掛けていますが、アイディアはどこからスタートするのでしょう?

僕の演出では、全体のイメージを伝える映像のリファレンスを作る一方で、まず音の台本に取り掛かります。音のシナリオを作って、それにアーティストが返してくれる。それが元々のイメージと違う場合もあるし、もっといい時もある。アーティストとセッションしている間に具体的な映像とか、あるいはパフォーマンスとかもどんどん見えてくるんです。音から世界観を作っていきます。

──クールだと思うミュージシャンは?

独自の世界観、色を持ってる人。それこそビョークっていったらもうビョークですよね。音も、ビジュアルも、ファッションも、ビョークを極めてる。そういうアーティストはかっこいいなと思います。

Profile
小橋賢児
東京都出身。88年に俳優としてデビューし、数多くの人気ドラマに出演するが、07年に芸能活動を休止。世界中を旅しながらインスパイアを受け映画やイベント製作を始める。世界最大級の音楽フェスティバル『ウルトラ ジャパン』日本版クリエイティブ・ディレクター、未来型花火エンターテインメント『スターアイランド』総合プロデュース、東京パラリンピック閉会式の演出などを務める。25年大阪・関西万博では催事企画プロデューサーに就任。

Photographer KISSHOMARU SHIMAMURA
Text TOMOMI HATA
Editors SAORI MASUDA and TOMOMI HATA
Digital Editor MIKA MUKAIYAMA

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