スカート、スカート、どこを見てもスカートばかり! ひとつのブランドがこれほど力を入れてファッションメッセージを発信するのは稀なことかもしれない。だが、プラダの2027年春夏コレクションを見に来たオーディエンスに対してラフ・シモンズとミウッチャ・プラダが送ったメッセージは明白だった──2027年春夏シーズンの主役はスカートなのだ。
事実、スカートはミウッチャのワードローブに欠かせないアイテムである。同時に、それはプラダというブランドにとっての“ソースコード”でもある。着こなしの幅が広くてフェミニンで、さまざまな意味合いを持つことができる──そんなスカートについてミウッチャは以前、「私にとってスカートはTシャツのようなもの」と語った。
女性らしい服装といえば、ミウッチャが愛してやまない50年代と60年代のレディライクなスタイルを思い浮かべる人もいるかもしれない。だが、2027年春夏コレクションを手がけるにあたり、ミウッチャとラフはそうしたスタイルをプラダの世界観にもとづいて再解釈した。そうして生まれたのが、手作業でビーズが縫い付けられたベルクロバンドで留めたAラインのラップスカートだ。それにミニマルなブラトップとバナナヒールのパンプスを合わせた瞬間、挑発的なルックが完成する。そうした“矛盾”こそがプラダの十八番なのだ。
スカートに焦点を置いたことで、ランウェイでは驚くほど多彩なスカートスタイルが披露された。そのひとつひとつがプラダヴァースで生きるすべての女性の好みや、その時々の気分を汲み取っていることは言うまでもない。こうしてプラダはオーディエンスの心を掴み、財布の紐を握ることに成功した(ルックを纏ったモデルが通り過ぎるたびに、はやくもレジを打つ音が聞こえたような気がした)。マットなブルーのラテックス素材を使ったスカートやビビッドなピンク色のテクノ素材のプリーツ、さらには1996年の有名な「アグリーシック」コレクションを彷彿とさせる絵画風のプリントや渦巻きチェックがランウェイを彩った。
レザーのペンシルスカートには丈の長いシャツドレスやゆったりとしたニット、着古したかのように柔らかなレザーコートが合わせられた。遊び心を感じさせるパーティースカートにはカラフルなビーズが散りばめられ、ミニマルなブラトップとセットで披露された。スカートスーツに至っては、プリーツ&ディストレスド加工を施したレザースカートに同素材の丈夫なバイカージャケットをコーディネートし、ロカビリーな雰囲気を取り入れた。
バッグに関しても、プラダが伝えようとするメッセージは明白だった。長方形のボディに長めのハンドルをあしらったバッグがレザー調のサテンやヘビ革、ワニ革といった素材を纏って登場した。肝心のメッセージ? それは「ひとつにフォーカスすることで、無限の可能性を解き放つことができる」にほかならない。
Photography courtesy of Prada.
