ガブリエル・シャネルが遺したレガシーに光をあてる、ロー・エスリッジ展

アメリカ人写真家ロー・エスリッジ(Roe Ethridge)による展覧会「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES」がスタート。2026年4月18日まで、シャネル・ネクサス・ホールにて開催される。本展は、普段は閉ざされたシャネルのアーカイブ施設「パトリモアンヌ」と、パリ・カンボン通り31番地に残るガブリエル・シャネルのプライベートコレクションを撮影した写真で構成。この作品が一般公開されるのは今回が初となる。

©CHANEL/Roe Ethridge, ©Adagp/Comité Cocteau, Paris, 2025

展示される作品には、ジャック・リプシッツによるシャネルの胸像、ピエール・ルヴェルディの『ミシアのための詩』の手稿、サルバドール・ダリとガラによる献辞本、バレエ『三角帽子』のためのパブロ・ピカソのスケッチ、さらには2世紀のエジプトの葬儀用マスクなど、多彩なオブジェが含まれる。ジャン・コクトー直筆の手紙には「私の変わらぬ優しさは決してあなたから離れることはありません」というクリスマスのメッセージがしたためられている。エスリッジはそれらを現代の小道具と組み合わせ、パリのスタジオで新たに撮り下ろした。

©CHANEL/Roe Ethridge

エスリッジは国際的に高い評価を受けており、ニューヨーク近代美術館、テート・モダン、ボストン現代美術館などにも作品が所蔵されている。実験的な表現とファッション写真で培った技法を融合し、現実と虚構、親しみやすさと違和感が交差する独自の世界観を構築してきた。本展では、被写体との新たな関係性を創出し、鑑賞者に驚きと発見をもたらす。

ニューヨークから来日したエスリッジは、「母親の鏡台の中央にいつもシャネル N°5の香水瓶が置いてあった。幼い私は、それがきっと家の中でいちばん価値のあるものに違いない、と感じていた」と思い出を明かし、「1980年代に育った私にとって、シャネルの広告やヴィジュアルイメージは自分の視覚言語の一部となり、商業写真への関心を育むきっかけにもなった。それらは、アート作品や創造的な写真表現とほとんど同等のものとして私の中に記憶されている」と語った。

©CHANEL/Roe Ethridge

シャネルの創業者、ガブリエル・シャネルは20世紀のクリエイションを牽引し、前衛芸術家たちとの交流を通じて革新的なデザインと芸術への情熱を体現したことで知られる。本展は、同時代を代表する芸術家を支援し続けてきたメゾンの伝統をさらに発展させるものとなりそうだ。

FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES
会場:シャネル・ネクサス・ホール(入場無料・予約不要)
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
会期:2026年2月25日(水)~4月18日(土)まで。
11:00~19:00 (最終入場18:30)
入場無料・予約不要
https://nexushall.chanel.com/program/2026/roe_ethridge/

トップ画像:©︎CHANEL