目がその人の魂を写す”窓”であるとしたら、クリエイターのデスクは、その人の頭の中へと通じる”道”なのかもしれない……こう考えた本誌は、気になるデザイナーやファッション界で活躍する友人たちにデスクツアーを依頼。彼らがどのように仕事をしているのかを知るべく、オフィスにお邪魔した。最高級のヴィンテージショップから取り寄せたプリミティブなデスクや美しい文房具はもちろん、時には散らかったデスクの上まで、あらゆる形のワークプレイスをご覧あれ。今回は「2022 インターナショナル・ウールマーク・プライズ」に輝いたガイアナ系イギリス人デザイナーのサウル・ナッシュのデスクを紹介する。
10マガジン:デスクはどこで購入したものですか?
サウル・ナッシュ(以下、ナッシュ):実はこのデスクは、このビル(サマーセット・ハウス)で見つけたものなのです。具体的な場所は忘れてしまいましたが。昔ながらのオフィスデスクのようなところが気に入っています。固定電話用の回線を通すための溝もあります。
10マガジン: 整理整頓されたデスクと散らかったデスク——好きなのはどっち?
ナッシュ:好きなのは整理整頓されたデスクですが、その状態を維持できるかどうかは別問題ですね。気づくと、さまざまなものが積み上がっています。
10マガジン:デスクにあるもので、いちばん思い入れがあるものは?
ナッシュ:近しい人たちの写真を壁に貼っています。お気に入りは、クリスマスに百貨店のセルフリッジズで撮ったもの。家族と友人が写っています。
10マガジン:このデスクから生まれたいちばんの自信作は?
ナッシュ:難しい質問ですね。普段はデスクの前に座って作業をする時間がないので。実際は体を動かしながら作業をしていることが多いです。でも、2024年春夏コレクションのためにカスタマイズしたシューズは自信作ですね。
Photography courtesy of Saul Nash この記事は、10 Men Magazine 58号「ELEGANCE, GRACE, BEAUTY」からの抜粋です。