音楽とファッションはいつの時代も互いに刺激し合い、いくつものカルチャーやトレンドを生み出してきた。2025年春夏号の本誌では、音楽とファッションの関係性の“今”について、カリスマと呼ばれる存在を作るクリエイターやアイコンたちを仕掛ける縁の下の力持ちなど、今をときめくアーティストやクリエイターたちにインタビューを敢行。ここでは日本を拠点に活動するイギリス出身の音楽プロデューサー、ニック・ウッドのインタビューを紹介する。
──日本の音楽シーンをどう分析しますか?
いまやネットフリックスなどのオンデマンドサービスのおかげで、世界の人は、これまでにないほど他の国のカルチャーへの関心を高めているし、オープンに受け入れる準備ができています。
この先、日本の音楽ももっとグローバルにヒットする可能性があると思います。そのきっかけの一つになれるよう、私たちも日本版の音楽のカタログを作ろうとしています。
アーティストのディレクトリーというより、例えばアメリカ制作のネットフリックスが日本でドラマを作るとなった時、そのなかにはバーでウイスキーを飲むシーンなど音楽が必要な場面がたくさんありますよね。日本のアーティストの楽曲やインストゥルメンタル、バンドサウンドなどあらゆる音楽を網羅したデータベースがあれば、海外の制作陣が簡単にライセンスできる。映画とTV番組の制作に特化した音楽のカタログを作りたいと思っています。
──音楽業界の未来について、どんな展望を持っていますか?
音楽と映像のコラボレーションに大きな可能性を感じています。映画やドラマ、ゲーム、ファッションショーなど、あらゆる分野で音楽が必要とされています。例えばシャネルなどのブランドイベントでは、必ずといっていいほど映像×音楽のクリエイティブなコンテンツがあります。ファッションと音楽はそもそも魅力的な相関関係を持っているけれど、その結びつきはますます強くなっていくはず。
それから、ウェルネスもこれからの注目分野。ラグジュアリー業界では、ウェルネスへの関心がますます高まっているけれど、スパやリトリート施設などでも、音楽や音の力を十分に活用できていません。
最近リリースした作品の一つに、北日本・十和田湖の季節のサウンドを収めた全5章からなる長編サウンドスケープシリーズの最終章「TowadakoWinter」があります。最先端のテクノロジーを駆使したハイエンドな音響システムとアンビエント音楽による、「ソニック・エクスペリエンス(音響体験)」や「ソニック・ストーリーテリング(音で物語を語ること)」を目指しています。
Profile
ニック・ウッド
イギリス出身。「Syn」のCEO、作曲家、音楽プロデューサー、クリエイティブ・ディレクター。Synの共同設立者であるデュラン・デュランのサイモン・ル・ボンとは1985年にアルバム『ドラム』を共同プロデュースして以来、長年に渡りコラボレーションを続けている。日本でのキャリアは80年代後半から。コム デ ギャルソンやヨウジヤマモトのファッションショーのオリジナル楽曲を手掛け、これまでに2,000本以上のコマーシャル音楽を作曲・編曲。CNNの「Why We Go」ではエミー賞のほか多数の賞を受賞する。
Photographer KISSHOMARU SHIMAMURA
Text TOMOMI HATA
Editors SAORI MASUDA and TOMOMI HATA
Digital Editors MIKA MUKAIYAMA and SHOKO NATORI
10月1日(木)発売! アナ・クララ・ファルコーニ、綾瀬はるか、Mrs. GREEN APPLEがそれぞれカバーを飾る、
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