アライアの彫刻のような美を纏って

彫刻のように構築的なアライアを纏う、モデルのコリン・ジョーンズ。ユタ州のモルモン教徒の町で育ち、その環境を抜け出してランウェイを席巻する存在へと駆け上がった彼女のうちに秘めた強さを、巨匠ニック・ナイトがパワフルかつエレガントに捉えた。

ピーター・ミュリエによるアライアのコレクションは、相反するものの探求だった──硬質と柔らかさ、構築性と流動性、過去と未来。その舞台となったのは、メゾンのアトリエ。モデルたちは、マーク・マンダースによる断片的で時の経過を感じさせるアート作品の間を、縫うように歩いた。

「彼の彫刻はどれも未完の作品であり、想像上の時間の経過を刻んでいます。そこには多くの文化の記憶が重なっている。そして、空間と時間の非線形的な在り方─その考え方に、私はとても刺激を受けました」とデザイナーは語る。「時代や地理にとらわれない美のコード、境界から解き放たれたその感覚は、アライアの哲学、つまり私たちのアイデンティティに深く結びついています」。

コレクションには、顔の周囲に後光のような効果を生み出すパフ付きフードを備えた修道服のようなルックが登場。一方で、透けるメッシュ素材は角張った体のラインにぴたりと張りつき、どこか異星的なムードを漂わせていた。

爬虫類の背骨を思わせる隆起したラインは、実際には立体的に引き伸ばされたラッフルや中綿入りのチューブで構成され、肩や首元を這うように装飾されている。道化師のようなクリノリン(パニエ)は腰の部分で誇張されたボリュームを見せ、それがそのまま流れるようなプリーツへと落ちていく。

シャープなカラーブロックはコレクションにエッジを与え、毛足の長いフェイクファーのコートは繭のような柔らかさで身体を包み込んだ。レザーフリンジのスカートは外骨格のように揺れ動き、重ねられたシルエットは「女性の身体の地形図」をなぞるように描かれていた。

ミュリエはこのコレクションを、「歴史と地理、そして何よりも“女性”についての瞑想」と位置づける。「このメッセージは、特異性、個性、そして女性たちの永遠の強さとしなやかさについて。服を通して、彼女たちに力を与えることを目指しています」。

トップス〈上・下〉 スカート イヤリング/ALAÏA

フード付きトップス スカート/ALAÏA

トップス スカート イヤリング タイツ シューズ/ALAÏA

ドレス イヤリング シューズ/ALAÏA

Photographer NICK KNIGHT
Fashion Editor ANNA TREVELYAN
Model COLIN JONES
Text EMILY PHILLIPS

Hair ALI PIRZADEH at Streeters
Make-up VAL GARLAND at Streeters using INGLOT COSMETICS
Manicurist ABENA ROBINSON at Agency41 using ESSIE
Set designer ANDREW TOMLINSON
Supervising set designer ALFIE MCHUGH
Creative consultant CALUM KNIGHT
Art director MICHAEL GOSSAGE
Digital operator JOE COLLEY
Photographer’s assistants LARA HUGHES, GRACE HODGSON, MADISON BLAIR, GILL WARNER and FREYJA MCDONALD
Fashion assistants GEORGIA EDWARDS and SONYA MAZURYK
Hair assistants JOSE DOMENE and KRISTIAN SZALAY
Make-up assistant PAULA MAXWELL
Editorial interns JONTY RACE and MAX FOSHEE
Casting DAVID CHEN
Production LIBERTE
Producer KAT DAVEY
Production assistant NIA DAVIS
Post-production EPILOGUE IMAGING
Special thanks to SHOWSTUDIO, CHARLOTTE KNIGHT, CHRIS YIANOULLOU, GABRIELA MOUSSAIEFF, ISABELLE CHURCHILL, JORDAN LAMBERT and CLAUDIA WILLIAMS