シンガーソングライターの長谷川白紙が語る、ランウェイミュージック

服以外に、ファッション史に残るランウェイショーと聞いて真っ先に浮かべるものはなんだろうか? それは音楽ではないだろうか。2025年春夏の最新号では、ランウェイに欠かせない音楽づくりのスペシャリストたちにインタビューを敢行した。ここではノワール ケイ ニノミヤのランウェイミュージックをクリエイトしたシンガーソングライター、長谷川白紙のインタビューを紹介する。

ノワール ケイ ニノミヤのランウェイショーを彩る衝撃的なサントラの作り手として知られる長谷川。東京・墨田区にあるショップ「モードの悲劇」のファウンダーでデザイナーの北田哲郎とパートナーのヤナ・ダーメン、さらには「リミナルウェア」をコンセプトに掲げるファッションブランド「ハトラ(HATRA)」のデザイナー長見佳祐など、注目のデザイナーとのコラボレーションも手掛けている。

──音楽がランウェイに与える効果とは?

時間と、その矛盾に気づかせてくれることでしょうか。ランウェイショーは図式的であると同時に、とてもタイトなスケジュールの下で行われます。それによって「いつ、どういうシーンでこの服を着るのか?」という疑問が必然的に生じます。音楽は、そうした問いに答えられなければいけません。

──ランウェイミュージック制作におけるご自身のアプローチとは?

ランウェイで披露される服の多彩な側面を表現するためのアティチュードを貫くこと。

──デザイナーとの協業プロセスについて教えてください。

うまく言葉にできないのですが、スポーツのような瞬発的なプロセスです。

──もっとも使用頻度の高いトラックまたはアーティストは?

すべてがオリジナルの作品です。

──音楽という意味で、忘れられないランウェイショーは?

全部と言いたいところですが、いまのところは、ショーの幕が下りた瞬間です。

──ご自身のジャンルを一言で表すと?

これも難しい質問ですね。というのも、私はいろんなジャンルの交差点で活動しているので。

──過去にタイムスリップして好きなランウェイショーのサントラを担当できるとしたら?

メゾン マルタン マルジェラの2001年春夏コレクションショー、「オリミ(ORIMI)」の2025年春夏コレクションショー、ベルンハルト・ウィルヘルムの2004年春夏コレクションショー、「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」の2018年春夏コレクションショー、日本で行われた「ブレス(BLESS)」のショー……すみません、ひとつに絞れません。

──この人は音楽のセンスがいい! と思うデザイナーは?

北田哲郎さんです!

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Photo by NAOKI TAKEHISA
Creative Editor GARTH ALLDAY SPENCER
Text PAUL TONER
Translator SHOKO NATORI