服以外に、ファッション史に残るランウェイショーと聞いて真っ先に浮かべるものはなんだろう? それは音楽ではないだろうか。ランウェイの演出を支える音楽作りのスペシャリストが生み出すサウンドトラックは、ひとつのファッションモーメントとして歴史に刻まれてきた。ここでは、数々のメゾンブランドのランウェイミュージックを手掛けてきたDJ、サウンドデザイナー、サウンドディレクターのミシェル・ゴベールのインタビューを紹介する。
「ランウェイミュージックの巨匠」の異名をとるゴベールは、過去20年にわたってシャネルやディオール、ルイ・ヴィトンといったラグジュアリーメゾンの大規模なランウェイショーのサウンドエンジニアを務めてきた。それだけでなく、近年ではウィリー チャバリアやサカイのショーのサントラを手掛けたことでも知られる。
──これまでにサウンドトラックを手掛けたブランドは?
シャネル、ディオール、サカイ、ウィリー チャバリア、プロエンザスクーラー、032c、ルイ・ヴィトン。
──音楽がランウェイに与える効果とは?
音楽は、ランウェイと観客の間にあるミッシングリンクです。
──ランウェイミュージック制作におけるご自身のアプローチとは?
アプローチは毎回異なりますが、何よりも重要なのは、音楽をランウェイショーという体験の一部として捉えることです。
──デザイナーとの協業プロセスについて教えてください
プロセスは多種多様です。
──もっとも使用頻度の高いトラックまたはアーティストは?
映画のサントラかな。
──理想のファイナルトラックは?
ショーを見て抱いたすべての感情を総括してくれるようなトラック。
──音楽という意味で、忘れられないランウェイショーは?
全員の意識がランウェイに集中するオープニングは、どれも記憶に残るものです。
──ご自身のジャンルを一言で表すと?
すべて。それらを組み合わせることで、私自身のパーソナリティを表現しているのです。
──過去にタイムスリップして好きなランウェイショーのサントラを担当できるとしたら?
(1995年の)ティエリー・ミュグレーの20周年アニバーサリーショー。
──この人は音楽のセンスがいい! と思うデザイナーは?
仕事をするときは、個人的な感情を挟まないようにしています。
──火事が起きました。アルバムを3枚だけ救出できるとしたら?
そんなことは、まずあり得ないでしょう。
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PHOTO BY FRANCESC PLANES
Creative Editor GARTH ALLDAY SPENCER
Text PAUL TONER
Translator SHOKO NATORI