音楽とファッションはいつの時代も互いに刺激し合い、いくつものカルチャーやトレンドを生み出してきた。2025年春夏号の本誌では、音楽とファッションの関係性の“今”について、今をときめくアーティストやクリエイターたちにインタビューを敢行。
ここでは、2025年1月に4枚目となるフルアルバム『Zatto』をリリースし、2026年8月には5lackとの連名アルバム『一張羅』を発表したミュージシャン、小袋成彬のインタビューを紹介する。
──ロンドンのジャズミュージシャンと制作されたアルバム『Zatto』についての思いを教えてください。
ロンドンでの生活は、もうそろそろ6年になります(インタビュー当時)。宇多田ヒカルさんのレコーディングで初めて行ったのが2016年。ロンドンの街並みや空気感に触れて、「この街に住みたいな」と思ったのがきっかけでした。いろんな人と出会える街だし、人間として成長させてくれるに違いないと思ったんです。
英語が喋れるようになって、いろんな人と会話をし、人々の悩みなどを、もっと深いレベルで共有できるようなってきました。人間のソウルみたいなものの解像度が高く感じられるようになったので、『Zatto』でもそれを表現したかったんです。
──ファッションに関しては、ロンドンの街からどのような影響を受けていますか?
人種によって体つきも顔つきも、肌の色も全然違うので、それぞれに合わせたファッションがありますよね。それぞれがマイトレンド、マイブームを持っていて。僕の場合は半年くらい前からネクタイがブーム。ちょっとフォーマル寄りのカジュアルなジャケットと合わせる感じです。
──かっこいいなと思うミュージシャンを教えてください。
ファッションウィークなどでスーツを着ているラッパーたち。ケンドリック・ラマーやエイサップ・ロッキーのようなトラッドとフォーマルのバランス感がかっこいいなと思います。あとジェームス・ブラウンやマイルス・デイヴィスなど。“今日どういうショーをしたいのか”に合わせて服を決めている感じがいいですよね。音楽に合わせてというより、自分のモードを最優先するのが粋だな、と。
レコーディングでは僕もバチバチにキメていきます。他のミュージシャンたちにも、演奏しやすい服装ではなく「ちょっと気合いを入れてオシャレしてきてね」って伝えるんです。“空気感”を含めて録るのがレコーディングなので、ハーフパンツやサンダルで来てもらったら困るというか。
音楽性は違うけれど、ブルーノ・マーズが「そういうヤツは絶対スタジオに入れない」とか言ってたのを聞いたことがあって、それに共感して僕もそうしようと思ったんです(笑)。
Profile
小袋成彬
1991年、埼玉県出身のミュージシャン。音楽プロダクション「TOKA」共同創業者。2018年に宇多田ヒカルのプロデュースによるアルバム『分離派の夏』と共演シングル「Lonely One」でデビュー。19年よりロンドンに在住。現地のジャズミュージシャンたちと制作したアルバム『Zatto』を25年1月にリリース。2月にはCD化され、3〜4月にはジャパンツアーを開催した。
Photographer KISSHOMARU SHIMAMURA
Text HISASHI MURAKAMI
Editors SAORI MASUDA and TOMOMI HATA
Digital Editors MIKA MUKAIYAMA and SHOKO NATORI
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