ルイ・ヴィトンを纏う、新しい挑戦を続ける俳優・広瀬すず

俳優の広瀬すずが、ルイ・ヴィトンの2024年秋冬コレクションを纏い、新たな魅力を放つ。写真家MISS BEANのレンズを通して見えたのは、広瀬すずの純粋さと強さがブランドの洗練されたデザインと調和し、時代を超えた美しさだった。がむしゃらに走り続けた10代を経て、広瀬すずはようやく自分を甘やかすことを許せるようになった。そんな大人になった広瀬すずの、輝きを放ち続ける魅力の源泉を探る。

14歳でモデルデビューをはたし、以降12年間、美しすぎる笑顔の裏で広瀬すずが一度も崩すことがなかったのは、新しいことに挑戦を続けるファイティングポーズだった。俳優として愛され、26歳になった広瀬を奮い立たせるものとは?

ドレス ピアス ブレスレット バッグ/LOUIS VUITTON

――ルイ・ヴィトンのアンバサダーに就任されて5年目になりますが、普段はどのようなアイテムを愛用されていますか?

アクセサリーとバッグがメインアイテムになっています。これから撮影があるというときでも、少しでも自分のテンションがアガるものを身に着けるのが好きなので、基本的にピアスは毎日着用しています。

ドレス シューズ/LOUIS VUITTON

――今日の撮影は「ルネッサンス」がテーマですが、広瀬さんはご自身の変化や再生をどのように感じています?

以前は何をするにも自分で選択すること、自分で決めることに強い憧れを抱いていた時期がありました。でも今は人の意見を聞き、いい意味で流されることが大事だと思うようになった。それが私の大きな変化だと思います。

我が強いので、一度決めたことをやり切らない限り、前を向いたり新しいことに挑戦できなかったりしていた。さらに、その1回を完全燃焼するために自分をアゲていかなくてはいけなかったので、かなりのエネルギーも必要として結構大変だったんです。

でも、大人になるにつれて、「1回流されてみよう」というゆとりができてきました。きっと周りを信用できるようになったから、流されることが嫌ではなくなってきたんだと思います。

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――では、自分の中で苦手意識のあるものは、どう克服していますか?

スイッチが入れば入り込めるのですが、本当に苦手なことには集中できなくなるタイプなので、最近は逃げるということを覚えました(笑)。もちろん、すべてにおいて精一杯頑張る努力はしますが、頑張りすぎて更に上手くいかなくなり、どんどん悪い方向へと転んでいくこともある。でも、それはもう、向いていないんだと思うんです。だからそのときは無理やり克服しようとするのではなく、潔く諦めます。

ドレス/LOUIS VUITTON

――バスケットボール愛好家としてオリンピック取材もされていましたが、スポーツ取材という新たなフィールドへの挑戦はいかがですか?

それも前の質問につながってくるのですが、そのお話をいただいたとき、一番初めに「私は選手の皆さんにインタビューはできません」とお伝えしたんです。私がバスケットボールをやっていたのはもう10年も前ですし、時間のない中で選手の皆さんにテンポよく試合の話を聞いたりするのは自分には無理だと分かっていたので。取材中は絶対に焦ってしまうのが目に見えていましたし、そんな人から取材を受ける選手の皆さんも困惑すると思うので、いいことがないなと。

ただ、バスケは大好きなのでインタビュアーは無理でも、ブースターという、ファンの立場で応援できるなら、ぜひやらせていただきたいなと思いました。子どもの頃からただ好きという気持ちだけでやってきたバスケが、こうやって仕事につながるというのは純粋にものすごく嬉しいんです。ただ、バスケはブーイングをしたり、相手に野次を飛ばしたりもするので、仕事であることを念頭において、夢中になりすぎて我を忘れないように気をつけています。

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――俳優やバスケットボール取材など、それぞれの活動が互いに影響し合うことはありますか?

どれも、カメラの前で自分を発揮するために心の中で静かにメラメラと炎を燃やしていく点は、似ていると思います。特に役者は日々違う形で自分の力を発揮しなくてはいけないので、難しいなと思うことが多い。

でも、スポーツを観戦した後に現場に行く日は、自分の中の熱量が全然違うんです。普段だったら自分だけの狭い空間に閉じこもって、自分の芝居が作品の方向性を決定づけていくんだということを考えたりして怖くなったりするのですが、スポーツを観戦することで、そのストレスから解放されるんです。

だからバスケのお仕事をやらせていただくようになってからは、ライブ感を楽しめるようになりました。自分の閉じていた空間が、どんどんオープンになっているのを実感しています。

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――普段は、仕事のどこに最大の喜びを感じているのでしょうか?

頑張ったお芝居が誰かの心に届いたり、作品が続いていくことが一番嬉しいように思います。みんなで一つの作品に取り組んで、それに対して評価が下されるというのは、分かりやすくて結構好きです。スポーツをやってきたので、きっとそれは体育会系のノリなのかもしれません。

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――でも、ときにはその頑張りに値しない評価を下されることもありますよね? 世の中には絶対に文句を言う人はいますから。

でも、そういうのも嫌いじゃないんです。めちゃくちゃ嫌な気分にはなりますが、以前ほど悔しいという感情はなくなってきたのと、性格的に逆に奮い立つので、文句も不評も全部思いのまま言って欲しい。と言うか、聞きたい。一人の人の意見として、すごく参考になるので。

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――では、批判コメントなどは?

もちろん、全部じっくり目を通しています(笑)。

Profile
広瀬すず
1998年、静岡県生まれ。2012年にデビュー後、数々の映画・ドラマに出演。2025年1月期TBS毎週金曜22時『クジャクのダンス、誰が見た?』、Netflix『阿修羅のごとく』(1月9日より配信中)に主演。2025年公開予定の映画『ゆきてかへらぬ』『片思い世界』『遠い山なみの光』で主演、『宝島』に出演する。

Photographer MISS BEAN
Fashion Editor SHOHEI KASHIMA
Talent SUZU HIROSE
Text RIEKO SHIBAZAKI
Sittings editors SAORI MASUDA and TOMOMI HATA

Hair AKKI
Make-up NOBUKO MAEKAWA
Set and prop stylist YUUSUKE ISHII
Photographer’s assistant MASAHIRO HATTORI
Lighting assistant YU TERAMOTO
Fashion assistants REI OTANI, AKARI GOTO and YUKINO YOSHIDA
Hair assistant HIROKO UEJIMA
Set and prop stylist assistants LUCA NAKATA and LI TANGNI

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