森山大道の回顧展も 「KYOTOGRAPHIE 2026 & KYOTOPHONIE 2026」の注目ラインナップ

2026年4月18日(土)~5月17日(日)に開催される「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2026」が、プレスカンファレンスを開催。共同創設者/共同ディレクターを務める写真家 ルシール・レイボーズ(Lucille Reyboz)と照明家 仲西祐介が、2026年度のテーマと参加アーティストを発表した。

2025年度の展示 ©︎ Kenryou Gu-KYOTOGRAPHIE 2025

2012年からスタートし、2026年で13周年を迎えるKYOTOGRAPHIE。美術館やギャラリーはもちろん、普段はアート作品を展示しない京都市内の町家や寺院、現代建築といった場所も会場にすることで、芸術と空間の関係性を再定義するユニークなアートイベントとなっている。2025年度は29万人が訪れ、京都の街の新たな巡り方を体験。世界最大級のアルル国際写真祭においても今年、アソシエイトプログラム川田喜久治「Endless Map – Invisible」展を開催するなど、国際的な写真の祭典としてその存在感を示した。

京都文化博物館別館、誉田屋源兵衛 (c)Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE

2026年のテーマは「EDGE(エッジ)」。テクノロジーが氾濫する時代の中、写真表現は新たな臨界点に立たされている。その不確実性と可能性を、8カ国13組のアーティストが表現するという試みだ。目玉となるのは、京都市京セラ美術館で開催される森山大道「A RETROSPECTIVE」展。チアゴ・ノゲイラ(Thyago Nogueira)によるキュレーションでブラジルやドイツ、イタリア、スイスでも開催された回顧展を、京都の空間に合わせて新たに構築。およそ60年にわたるキャリアを持つ森山の、ラディカルかつ精力的な活動の軌跡をたどる。

Stray Dog, Misawa, 1971. From A Hunter. From Letter to St-Loup, 1990. From Pretty Woman, Tokyo, 2017. すべて© Daido Moriyama/Daido Moriyama Photo Foundation.

ほかに、イギリスのアートシーンにおいて「フェミニズムの先駆者」としての地位を築いたリンダー・スターリング(Linder Sterling)や、デヴィッド・ボウイなど世界的アーティストのポートレートで知られるアントン・コービン(Anton Corbijn)、カンヌ国際映画祭でも上映されたドキュメンタリー「手に魂を込め、歩いてみれば(2025)」の主人公でもあるガザ出身のフォトジャーナリスト、ファトマ・ハッスーナ(Fatma Hassona)の作品もフィーチャー。シャンパーニュ地方に滞在して制作をおこなった柴田早理や、農業に携わりながら生と死のエネルギーを写しとった福島あつしにも注目が集まりそうだ。

What I Do To Please You I Do, 1981–2008 © Linder, Courtesy of the artist and Modern Art, London、David Bowie, Chicago, 1980 © Anton Corbijn、© Fatma Hassona、© Sari Shibata、© Atsushi Fukushima

また、同時開催となるサテライトイベント「KG+ 2026」では、これからの活躍が期待されるアーティストの展覧会が京都市内各所の会場で開催。ボーダレスミュージックフェスティバル「KYOTOPHONIE 2026 Spring」のアーティストラインナップも一部公開され、4月19日にムサキ&トゥバツィ(Msaki & Tubatsi)、5月16日にドラ・モレレンバウム(Dora Morelenbaum)が出演することが発表された。来春の京都も、さまざまなカルチャーイベントで熱く盛り上がりそうだ。

https://www.kyotographie.jp/
https://kyotophonie.jp/

トップ画像:(c)Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE