写真家・高木由利子による展覧会『高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995–2025 ― 時をまとい、風をまとう。』が3月29日(日)まで開催される。会場はBunkamura ザ・ミュージアム。新施設への拡大移転を控える同館にとって、現展示室で行われる最後の展覧会となる。本展は、渋谷ファッションウィークが参画する「TOKYO CREATIVE SALON 2026」のプログラムの一つとして開催。
ファッションデザイナーから写真家へと転身した高木由利子。ポール・スミスからの依頼をきっかけにブランドとのコラボレーションを重ね、近年はクリスチャン・ディオールのアーカイブピースを独自の視点で撮影したシリーズでも話題を集めた。今回の展示では、伝統衣装を身にまとい生きる人々の日常を、30年にわたり世界各地で撮影してきた〈Threads of Beauty〉シリーズに焦点を当てる。約100点の作品を通して浮かび上がるのは、衣服と身体、そして土地と結びついた「人の存在」。ファッションという営みの根源的な意味を、静かに問いかける。
会場構成を手がけるのは、建築家の田根剛(ATTA – Atelier Tsuyoshi Tane Architects)。京都・二条城で開催された2023年のKYOTOGRAPHIEでの展示に続き、高木とのコラボレーションは二度目となる。今回は会場に壁を設けず、写真を布に縫いつけ石で固定する展示方法を採用。順路もあえて設けない。背景にあるのは「少数民族の人々は道ができるといなくなってしまう。道はやはり文明を作り出すもの。彼らはそこから離れた環境での暮らしや生き方を選んでいる」という高木の言葉だ。鑑賞者は決められたルートに従うのではなく、会場を自由に歩きながら、風景や人々に出会うように作品と向き合うことになる。
また、渋谷という都市の文脈を取り込んだ映像作品〈同時多発的服飾 SHIBUYA X THE OTHER SIDE〉も展示。ペルーやメキシコ、イランに暮らすノマドの装いと、渋谷のストリートファッションを対比する映像を通して、異なる地域に生きる人々の類似点を映し出す。高木は「12カ国で撮影したが、国というより、全体で『地球族』だという感覚がある」と語った。
時代や国境を越え、人々の普遍的な「格好良さ」を捉えた〈Threads of Beauty〉は青幻舎より写真集としても刊行され、会場にて先行発売。さらに、漆皮作家の樋上純やファッションブランド「amachi.」とのコラボレーションアイテムもショップに並ぶ。イベントは公式サイトで確認を。
写真すべて:「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995‐2025」より、Bunkamura ザ・ミュージアム、2026年
SHIBUYA FASHION WEEK 2026 Spring x Bunkamura
高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。
会期:2026年3月10日(火)~3月29日(日)※会期中無休
日時:13:00~20:00(最終入場19:30まで)
入場料:無料
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム (東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F)
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/26_takagi.html