クロエ 2024年プレフォール・コレクション


Shoko Natori

クロエのクリエイティブ・ディレクターに就任したシェミナ・カマリが3月に披露されたデビューコレクションの中で懐かしのクロエガールを再登場させた瞬間、ファッショニスタたちは歓喜に沸いた。シフォンのドレスやニーハイブーツ、オーバーサイズのサングラスといったルックが次から次へと華麗に登場する様子は、現代のクロエの顧客のために装いを新たにしたボーホールックの凱旋を物語っていた。

「クリエイティブ・ディレクターとしてクロエを率いるにあたり、私はクロエの歴史を支えてきた精神とデザインコードを直感的に受け入れました」と、4月22日に披露されたクロエ初のプレフォールコレクションのノートにカマリは記している。デビューコレクション前にデザインされたこのコレクションについて彼女は「プロローグであると同時に前奏曲であり、基礎でもある。まさにリルーティング(再び根付かせること)なのです。タイムレスでありながらも季節感を表現するワードローブという概念とクロエが持つパリのエスプリに裏打ちされた、クロエの新たなはじまりです」と語った。

カマリは、「私が感じ、愛しているクロエウーマンの魂を捉える」決定的な瞬間を中心に自らのデザイン言語を構築している。クロエの原点に立ち返るにあたって彼女は、カール・ラガーフェルドによる1970年代のクロエから着想を得たと語った。その結果、エレガントなケープをボディにぴったりとフィットする黄褐色やボルドー色のしなやかなレザーと組み合わせた。この他にもレースで縁取られたキャミソールやハンカチーフヘムラインがあしらわれたニーハイスカート、フレアジーンズ、弾むようなフロックはどれも陽気なニュートラルカラーをまとい、クロエウーマンの自由奔放さを見事に表現した。

カマリによるクロエのワードローブには、エレガントでリラックスした雰囲気が漂っている。これはウェアに限らず、アクセサリーにもいえることだ。カメラスタイルのレザーバッグは、人生がすっぽり収まるのではと思うほどのボリューム感だ。教室のテーブルの下に隠されているような落書きが刻まれたチャンキーなウェッジソールは、スタイリッシュでありながらも夜通しダンスができるくらい履き心地が良さそうだ。

Photography courtesy of Chloé 

chloe.com

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