『10 MAGAZINE JAPAN』2025年春夏号で登場した、ジャズピアニスト、上原ひろみ。独自のスタイルと圧倒的な世界観で人々を魅了する音を紡ぎ出す彼女が、自身のアルバムや音楽、そして拠点であるNYや衣装へのこだわりなど、音楽とファッションの親和性について、この10マガジンに特別な思いを語ってくれた。
──前作『Sonicwonderland』のアルバムで得た手応えと、2025年4月4日(金)発売の最新作『OUT THERE』への思いを教えてください。
前作では私の作曲した曲を音楽を具現化してくれるバンドメンバーを集め、「どういう音になるんだろう」というゼロからの出発でした。リリース後彼らとツアーを続けるなかで次はこの仲間のために曲を書きたいと思うようになりました。
「この人がこういうメロディー弾いたらかっこいいな」なんて思い浮かべながら、あて書きをするように一人一人が輝くセクションを作っています。今作もジャケットはルー・ビーチのイラストによるもの。ジャケットの下の方にタコかイカか分からない謎の生物が浮いているのですが、ルーが「これがひろみ。自由で、ふわふわいる感じ」と言っていました(笑)。
──ご自身が惹かれるサウンドとは?
音色(おんしょく)が大きいです。私がミュージシャンを選ぶ時も、プレーの技術云々よりも、音色を聴くようにしています。ピアノなら硬質でクリスタルクリアな音か、温かみのある音なのか。同じ楽器を弾いても全然違う音がするし、楽器によってそれぞれの音色が全然違う。プロジェクト毎に欲しい音色があるので、そのトーンが私にとっては重要です。
──今拠点を置くNYの街からは、どんな刺激をもらいますか?
ジャズに限らず世界中からいろんなミュージシャンが集まってくるので、いろんなリズムを感じます。ファッション面では、仕事が終わったら一度家に帰って、ナイトアウトのために着替えるところ。ファッションを楽しむ文化が素敵だなと思います。
──ステージ衣装を選ぶポイントは?
腕が自由でないといけないので、ステージでは半袖かノースリーブしか着られないんです。生地の軽さや体へのあたり、立ったり座ったりする時にもたつかないかも絶対条件。試着する時には、椅子を持ち込んでスムーズに動作ができるかを確認します。
それからやっぱり自分が着て気持ちが上がるかどうかも大事。プロジェクト毎に自分のなかでテーマカラーがあって、今回「Sonicwonder」の時はかなりポップな原色に近い色をよく選んでいます。
Profile
上原ひろみ
静岡県出身。2003年に『Another Mind』で世界デビュー。11年にスタンリー・クラークのアルバム『THE STANLEY CLARKE BAND FEAT. HIROMI』で第53回グラミー賞を受賞する。23年公開のアニメ映画『BLUE GIANT』では音楽監督を務め、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。25年4月4日に、Hiromi’s Sonicwonder名義での新作『OUT THERE』が発売。25年4月11日公開の映画『Page30』では音楽を担当した。
Photographer NAOKI USUDA
Text HISASHI MURAKAMI
Hair and Makeup SEIJI KAMIKAWA
Editors SAORI MASUDA and TOMOMI HATA
HIROMI UEHARA wears LIMI FEU
Digital Editor MIKA MUKAIYAMA
